(2017年6月23日)
依頼者A(48才の男性、食堂経営)は車両を運転し、前方の信号が赤色を表示していたので前車に続き停車していたところ、加害者B運転の車両がC車両に追突し、C車両がA車両に追突し頚椎捻挫の傷害を負ったものである。
Aは頚部から両肩甲部、背部の痛みが強くD病院に通院したが、その後はE整骨院に通い施術を受けた。
D病院には19日間しか通院しなかったが、E整骨院には110日間通院し、主として整骨院で施術を受けたものである。
Bの加入している自動車任意保険F損害保険会社がAの後遺障害診断書を取りつけ、静岡自賠責損害調査事務所に事前認定をしたところ、後遺障害非該当となった。
Aはその結果を不満とし、当事務所に相談した。
当事務所は、D病院からカルテを取寄せ、それに基づき、Aの症状経過を述べ、頚椎MRIの画像上の所見からもAの訴える頚部痛、両肩痛の後遺障害は医学的に説明できるものとの意見書を作成し、自賠責会社を通じ、静岡自賠責損害調査事務所に被害者請求を出した。
この結果、事実上の意義申立てが認められ14級9号(局部に神経症状を残すもの)と認定された。
F損保からの当初の指示は、既払金100万円を除き77万5000円というものであったが、自賠責後遺障害保険金を含めると200万円の提示になり訴訟外の和解が成立した。
最近、静岡自賠責損害調査事務所のむち打ち症に対する後遺障害認定は厳しく、かなりが非該当になっている。
特に整骨院を主体として治療を行った場合は後遺障害の認定が厳しくなっているので、後遺障害があると予測される場合には、整骨院の先生とよく話し合いをして並行して整形外科でも治療を受けなければならない。
さらにいくら被害者にとって楽になるからといって事前認定は避けた方がよい。
あくまでも、自らが主導権をにぎる被害者請求がベストである。