(2016年12月27日解決)
依頼者A(満27才の男性、会社員)は車両を運転して前進していたところ、Bの運転する加害車両が右側の駐車場から出てきてAの車両の右側後輪付近に衝突した。
Aは頚椎捻挫、腰椎捻挫を負い、併合14級の設定を受けた。
Aは異議の申立てをしたが、上位等級が認定されず、Bを被告として静岡地方裁判所に損害賠償請求の訴を提起した。
Aの主治医は、詳細な後遺障害診断書を作成しており、又、カルテの記載も他の医師の記載よりも詳細であった。
当事務所はこの記載をもとに、他の医師にも意見書を作成してもらい訴訟に臨んだが、裁判所は、静岡自賠責損害調査事務所の認定した併合14級(頚部と腰部の神経症状)の認定を尊重し、Aの後遺障害の程度は14級であるとした。
その上で、裁判所は、治療費84万円、自賠責後遺障害保険金75万円を除いて、323万円の損害賠償金の提示をA、B双方に示した。
鑑定の申立てが採用されれば、12級になる可能性もあったが、裁判所はその採用をせず、自分で判断できるとの立場をとった。
最近、むち打ち症事案では、このような立場を取る裁判所が主流で、鑑定を採用しないと、静岡自賠責損害調査事務所の判断が尊重される傾向がある。
本件の場合は、被害者請求で、当初非該当とされたものが、異議申立てにより14級となった経緯があり、Aも和解案に納得し、訴訟上の和解になったものである。