後遺障害14級9号で訴訟外の和解

(2017年3月31日)解決

依頼者A(67才の男性.無職)は車両を運転して走行していたところ、前方交差点の信号機が赤色を表示したので、前車に続き停車した。
そうしたところB運転の車両が追突した。
Aはこの事故により頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負い、7か月間治療したが、頚部から両肩甲部にかけて疼痛と右手のしびれを残し、症状固定となった。
Bの加入している自動車任意保険、C損害保険会社は静岡自賠責損害調査事務所に対し、Aの後遺障害について事前認定の申請をした。
しかし、後遺障害非該当となったため当事務所に相談した。
当事務所は、自賠責会社を通じ、静岡自賠責損害調査事務所に被害者請求をした。
頚椎のMRI上に変性所見があったので、これはこの事故によるものだとの意見書を作成したが、採用されず、将来においても回復が困難な神経障害を残すものとして、第14級9号(局部に神経症状を残すもの)が認定された。当事務所はC損保と交渉したところ、既払金(治療費)と自賠責後遺障害保険金75万円の他に228万円を支払うとのことであったので、訴訟外の和解が成立した。
最近、むち打ち症事案で静岡自賠責損害調査事務所は第12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)はほとんど認めず、頚椎や腰椎にヘルニア症状が出ていたとしても、それは加齢性のものだと判断し、第14級9号にとどまる判断をしている。まだ、第14級9号に認定されればましで、むち打ち症では後遺障害非該当になることも多い。
静岡地方裁判所も本庁、支部を問わず、静岡自賠責調査事務所の判断を支持する傾向が強くなっているので、被害者側弁護士としては、極めてやりにくくなっている。

被害者が団結し、市民運動をおこし、不条理を是正する時期に来ているとつくづく考えるこの頃である。
これは当事務所の愚痴ではなく、何か見えない力が働いているものと思わざるを得ない。

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