(2017年4月3日解決)
A(58才の男性、会社員)は、赤信号で停車していたところ、B運転の車両に追突され、頚椎捻挫の傷害を負った。
Aは、事故直後から、頚部から両肩甲部、背部にかけての疼痛を感じ、消炎鎮痛の処置をしてもらったが、快方に向かわず、6か月後に症状固定となった。
Aは当事務所に相談し、自賠責会社を通じ、静岡自賠責損害保険調査事務所に後遺障害についての被害者請求をした。
Aの主治医のC医師の作成した自賠責後遺障害診断書が簡単であったので、これでは後遺障害非該当になると考え、当事務所はカルテを取り寄せ、詳細な意見書を作成して提出した。
その結果、静岡自賠責損害調査事務所は、「治療状況や症状経過等を勘案すれば、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられる。」として、14級9号(局部に神経症状を残すもの)と判断した。
Aはこの結果を受け入れ、当事務所は、Bの加入していた自動車任意保険D損害保険会社と交渉した。
当事務所は、D損保に治療費を除き380万円を請求したところ、D損保は340万円を提示し、Aもこれを受諾し、訴訟外の和解が成立した。
D損保は、ほぼ、裁判所基準(赤本)を受け入れたものである。
医師の作成する後遺障害診断書はおおむね簡単であるので、常日頃から主治医に自分の症状を正確に伝え、それをカルテにしっかりと書いてもらう必要がある。