(2014年1月6日解決)
依頼者A(64才の女性、主婦)が普通乗用自動車を運転し、黄信号で停止したところ、B運転の2トントラックが追突し、Aは頚椎捻挫を負った。
Bの加入していた自動車任意保険N火災海上保険株式会社は3か月経過して治療をやめるようにAに申しつけ、6か月後には治療費の打ち切りをした。
Aの主治医であるC医師は、まだ治療の必要があるとして、N火災海上に抵抗してくれ、Aは健康保険に切り替えし、その後3か月間治療を継続し、症状固定となった。
自賠責静岡調査事務所に後遺障害の等級認定の被害者請求をし、14級9号(局部に神経症状を残すもの)に該当するものと判断された。
Aは3か月分の治療費負担分を含め561万円余を請求したところ、N火災海上から441万円の回答があり、訴訟外の和解をした。
N火災海上は、主婦休損を賃金センサスの平均賃金をもとに3か月分、障害慰謝料109万円、後遺障害慰謝料110万円、その他打ち切り後の治療費の支払いも約したものである。
6か月間の主婦休損の不払いについて、疑問が残ったが、3か月間は全日認めており、その他も当方からの要求額どおりであったのでAは満足して訴訟外の和解にしたものである。
本件の場合、Aが当事務所に事故直後に相談したため、主治医のC医師とも連絡がとれ、N火災海上の強圧的な通告に適切に対処でき、それが、後遺障害の等級認定にもつながったものと思われる。
最近、むち打ち症事案で、自賠責静岡調査事務所は後遺障害を非該当とするなど、被害を切り捨てる傾向にあり、そのためにも、損害保険会社の圧力に屈せず、必要な治療をしてもらい、その上で主治医に適切な内容の後遺障害診断書を作成してもらうことが大切になってる。