頚部、腰部の交通事故被害者に対する重要なお知らせ
突然の「治療打ち切り」
静岡県内で発生する交通事故の60パーセントが追突事故ですが、現在これらの事故に起因する、いわゆるむち打ち症被害の大半が救済されない事態になっています。
むち打ち症は3か月以内に治癒するという考え方が流布されているため、損害保険会社は交通事故被害者に早期の治療の打ち切りを求めてきます。
むち打ち症が3か月以内に治るということはすべてのむち打ち症患者にあてはまるものではないのですが、損害保険会社は事故から2か月ないし3か月すると「そろそろ治療をやめて欲しい。」と通告し、主治医にまでそのことを伝えています。
6か月経過すれば、ほぼ全件で治療費の打ち切りをしています。
6か月位で頚部から両肩甲部にかけての疼痛、背部痛、腰部、手足のしびれがなくなることはないのですが、現実には治療費が打ち切られますので、治療を中止する被害者がほとんどです。
主治医にしっかりとした、内容のある自賠責後遺障害診断書を記載してもらうことができれば
後遺障害等級がつくことがありますが、中途半端な治療しかしていなければ決して後遺障害等級が認定されることはまずありえません。
適正な賠償金獲得のために
そのために、身体の各所が痛くてしびれているのに満足な損害賠償金さえ受領することはできません。
当事務所のホームページで何回も述べていますように、頚部や腰部のMRIが撮影されていなければ、後遺障害が認定されることはまずありません。
後遺障害の存在が予想される場合、主治医に対してMRIの撮影を求めましょう。
それも1.5テスラではなくて3テスラが望ましいです。
損害保険会社の意向を受けて、静岡自賠責損害調査事務所はむち打ち症について14級9号の最低の後遺障害すらあまり認めず、ましてや12級13号の認定などほとんどしてくれません。
主治医が交通事故被害者の訴える症状をしっかりとカルテに記載し、さらに、詳細な自賠責後遺障害診断書を記載してくれ、MRIにも変性所見があることが確認された場合のみ、最低の等級が認定されるのです。
裁判所も多くの場合、この静岡自賠責損害調査事務所の認定結果を尊重していると言えます。
当事務所にとって12級などは高いハードルであるとは思っていませんでしたが、今は必ずしもそのようにお伝えすることができなくなっています。
交通事故被害者が全国的に被害者団体を結成し、又、全国横断的な被害者救済弁護団が結成されなければ、今の事態を打破することは限界に近づいたと思います。
そして、被害者救済に力を貸して下さる協力医の確保も最大の課題になっています。
今日は皆様方にむち打ち症被害の救済が大変になっている現状をお知らせしました。