MRIは解像度3テスラでお願いしましょう!

2015年11月12日

交通事故の被害者の皆様には、MRIの撮影が必須であることは、当事務所のコラムで何回もお伝えしています。

レントゲンでは、骨折の状態はわかりますが、神経がどのようになっているかは何もわかりません。

しかし、MRIを撮影してもらったとしても、安心することはできません。

0.5テスラと解像度の低いオープン型装置(永久磁石タイプ)でMRIを撮影してもらっても、あまり意味がありません。

何もしないよりはましですが、神経ははっきりと写りません。

テスラは磁場強度をあらわし、数値が高い方が、より細かな部位まで撮影することができます。

0.5テスラの永久磁石タイプは値段が安く、ランニングコストも低いのですが、高磁場にはできないという短所があり、現在では超伝導タイプが主流となっています。

現在、最も普及しているものは、1.5テスラの超伝導タイプのMRIですが、それでも、3テスラの超伝導タイプのMRIと比較すると性能が劣ります。

3テスラだと、末梢脳血管や末梢神経の状態が、はっきりと確認でき、正確に読影できますが、1.5テスラでは、はっきりとしないようです。

静岡県内では、3テスラのMRI機器を所有している総合病院はあまりなく、静岡市内では、静岡県立総合病院と静岡赤十字病院の2か所しかありません。

頚椎捻挫や腰椎捻挫に苦しむ交通事故被害者の方は、本当は外傷性のヘルニアかもしれません。
これを臨床医師に正しく診断してもらうためには、3テスラのMRI機器で患部を撮影してもらう他方法がありません。

そのようにしなければ、静岡自賠責損害調査事務所は勿論のこと、裁判になっても裁判官は交通事故によるヘルニアだとは認定してくれません。

せいぜい、経年性の変性所見があるものと断定し、14級9号(局部に神経症状を残すもの)と認定されるのがおちです。

仮にヘルニアと判断しても、無徴候のヘルニア(交通事故以前に存在したヘルニア)が交通事故を契機としてしびれ等の症状が外に出てきたと認定され、素因減額により、損害賠償額が低くなります。

MRIは、病変部分の水分を見るものですから、病変があればその部分は白っぽく写ります。

MRIを撮影してもらうことは、たとえ重篤な症状に至らなくても、治療方針を決定するにあたって大切なことだと思いますので、テスラの数値を確認し、0.5テスラや1.5テスラであったら、静岡県立総合病院や静岡赤十字病院を紹介してもらって、3テスラで撮影してもらって下さい。

それが、あなたの権利を守ることにつながります。

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