被害者専門の弁護士として嬉しいこと

2017年5月12日

毎日、毎日裁判所に通い、被害者専門の弁護士として論陣を張ることは、大変厳しく辛いことです。

現在、損害保険会社の業績は厳しくなりつつあり、そのこともあって、損害保険会社の採用した被告代理人からの、被害者の症状に対する見方が、以前と比べてシビアになっています。

裁判所も、証拠を前提にして判断しますから、カルテ、診断書の記載が不十分であれば、おのずと私たち被害者側弁護士に厳しい対応をとることになります。

筆者は、既に44年間の民事弁護士の経験を有しますが、それでも毎日、毎日が緊張と不安の中にあります。

お一人お一人の依頼者の皆様方の被害を真剣に受けとめると、どうして、どのようにして被害の実相に合致した解決をするのか、悩むところです。

44年も弁護士をしていますと、もっと楽に仕事をした方が良いと思うこともありますが、それでは自分に負けたことになると思い、気を取り直しています。

その場、その時に頑張らなければ、公正妥当な解決の方法は確立しないと考えると、若い被害者専門弁護士の模範にならなければとの感を深くしています。

そして、スモンやじん肺、その他の薬害、公害事件で頑張った若き日を回想すると、依頼者と共に泣き、笑うことが社会の進歩、発展にとっていかに大切であるかがよくわかります。

交通事故の解決でも、被害者の皆様方と共に考え、不条理なことに対しては共にそれを糺していくことが大切です。

このようなことを理解していただいた依頼者から、事件終了後、お手紙をいただくことは大変嬉しいものです。

昨年、後遺障害非該当が、異議申立てにより、14級9号になり、その後、訴訟で鑑定を経ることによって12級13号になったK・Sさんから、次のようなお手紙をいただいた時も本当に嬉しいものでした。

生身の人間として、依頼者からお褒めの言葉をいただくことは、明日の活動の糧となります。

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