MRI画像における加齢変化と外傷性変化について
2015年12月4日
静岡自賠責損害調査事務所や損害保険会社は、頚椎や腰椎のMRI画像に変性があっても、容易に交通事故による外傷性の変化であると認めようとしません。
必ず、加齢による経年性変化であると主張してきます。
それでは、MRI画像において、頚椎や腰椎といった対象部位の画像の異常所見について、加齢変化と外傷性変化は区別することができるのでしょうか。
今ではMRI機器の解像度も高度になり、3テスラも普及していますので、区別することは、以前より容易になったようです。
放射線診断専門医のお話しによりますと、まず、T2強調画像という撮影手法を用いる必要があります。
このT2強調画像は、脂肪抑制の画像です。
T2強調画像の場合、脂肪は低信号の黒を示し、水分や炎症部分は高信号の白色を示します。
撮影部位に水分反応や炎症反応が出たということは、そこに外力が加わったことを意味するといいます。
特に、局所的に、水分反応や炎症反応があることは、外傷により局所的に外圧が加わったことを意味します。
そのような所見が、交通事故後に撮影されたMRI画像によって明らかになった場合には、交通事故による外傷性の頚椎・腰椎椎間板ヘルニアが発症した医学的証明になります。
しかし、このことはまだ臨床医の整形外科医の一般的知識とはなっていませんので、知らない整形外科医もいます。
さらに、損害保険会社は、このことを無視していますので、残念ながら、裁判所における一般的知識にもなっていません。